
インドで暮らす私のひそかな楽しみは、英字新聞に載る高級不動産の1面広告を見ることだ。
コピーを日本語にするとこんな感じ。
「その海は景色ではない あなたの暮らしの前庭になる ムンバイ唯一の、海辺に住まう贅沢(ぜいたく)」
「贅沢な暮らしを選ぶ人はいる その先に住む人は、わずかだ 緑のフェアウェーに寄り添う邸宅 グレーターノイダの、静謐(せいひつ)なる高み」

これって、物件と街の魅力をちょっと大げさに詩的にうたう、いわゆる「マンションポエム」じゃないの? 日本以外にもあるんだ。「選ばれし者の聖域」といった強気の言葉も含め、不動産ブームのインドで毎週のように目にする。
インド・ブランド・エクイティ財団は、インドの不動産セクターは2025年に6500億ドル(約102兆円)に達し、先進国入りを目指す47年には5.8兆ドルに届くとみる。
【連載】インドの話が止まらない。
インドの日常には、思わず誰かに話したくなる小さな「あれ?」があふれています。ニューデリー支局の鈴木暁子支局長が驚き、笑い、時に立ち止まり、その先に見えるインドの素顔をお伝えします。
■「買わないなら来るな」と言…
